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    マンホール(236):北海道釧路市の下水道古蓋

    釧路市の蓋についてはこれまでまとめたことがなかったと思う。
    あまり体系的な蓋画像収集が捗らなかったからであるが、先日かなり初期のものと思われる蓋を見つけたので、この際まとめに着手しようかと思った次第である。

    まず沿革から見ていこう。
    釧路市のサイトにある「釧路市下水道ビジョン」やパンフレット「くしろの下水道」(ともにPDF)によれば、市議会に下水道建設が起案されたのが1954(昭和29)年。この際、建設省への折衝に上京した職員が洞爺丸に乗りあわせて殉難しているそうだ。
    翌昭和30年に、市の中心部を含む古川処理区の事業着手。昭和49年に古川下水最終処理場の運転が開始されている。19年がかりというのはちょっと長いようだが、内地の都市ほど人口過密な街ではなし、在来下水の管渠の改良だけで応急的には不足なかったのだろうと思う。
    市内には他に白樺・大楽毛の2処理区があり、平成の合併後には旧阿寒町域の阿寒・阿寒湖畔の2処理区と旧音別町域の音別処理区も加わった。今日の普及率(人口)は98%を超えている。

    …というわけで、管渠の敷設は昭和30年から。古蓋が残っているとしても昭和30年代以降のものとなるが、これまで古そうなものをあまり目にすることがなかった。
    で、以下に掲げるのが、先月とうとう釧路市川北町の歩道上で見つけたものである。

    mh236釧路 (3) mh236釧路 (1)
    穴から外側への放射線が伸びていない、変則的な東京市型である。星の中に○は、釧路市章。

    mh236釧路 (2)
    で、市章の周りに、変な字体で「下水」と書いてある。
    痛みや鋳造技術そのものなどを勘案すると、昭和30~40年代のものとみて不自然はない。
    なお、この道を北に進むと古川下水最終処理場に行き当たる。
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    マンホール(223):東京都稲城市の下水道マンホール

    前回、多摩地区で見られる上水道蓋をまとめたが、今回は下水道の方だ。

    見つけたのはやはり稲城市の京王よみうりランド駅周辺。
    稲城市というのは忌憚のないところを言うと東京でも知られていない方だろう。
    東京都に川崎市が食い込んでいる先あたりに位置し、人口は8万5000ほど。面積は摩周湖よりやや狭く、人口密度は夕張市の約380倍≒豊島区の約0.21倍。鉄道はJR南武線と京王相模原線、それからついでにJR武蔵野(貨物)線も通っているとか。市内の平地部は市街がひらけているが、丘陵部分にはゴルフコースや雑木林が目立ち、農地も若干残る。
    まあとにかくそんな街であります。

    mh223稲城市下水道 (1) mh223稲城市下水道 (3)
    イチョウの地紋に「おすい」「うすい」の鉄蓋。

    mh223稲城市下水道 (2) mh223稲城市下水道 (6)
    コンクリート枡蓋。

    mh223稲城市下水道 (4)
    斜め格子地紋に「雨水」。

    mh223稲城市下水道 (5)
    最初の「おすい」に似ているが、「おすい5」とあり、さらに謎の矢印マークも。なんだこれ。 

    マンホール(202):香川県高松市の下水蓋

    前回の岡山電軌の記事以来、久しぶりの西日本蓋紀行である。
    今回は香川県に戻る。四国の首府・高松市の下水蓋をお目にかけよう。

    mh202-1下水デザイン無色 mh202-2下水2色 mh202-3下水カラー
    これが目下一番新しい仕様の蓋だと思われるデザイン蓋。無色とカラー蓋の間に白黒に加工されたものがあった。
    絵柄は那須与一。屋島の戦いにおいて平家方の掲げた扇の的を射抜いた逸話で知られる武士で、蓋にもその場面が描かれている。屋島は高松市の郊外に存在する。

    mh202-4下水幾何地紋 mh202-5下水幾何地紋汚水
    幾何学地紋蓋。

    mh202-6下水名古屋型 mh202-7下水替り名古屋
    名古屋型の蓋もいくらか見つかった。中には輪郭線だけの変種も少数存在していた。

    mh202-8下水謎地紋
    なんだかよくわからないデザインの地紋も。松かさのようなホップの実のような不思議な柄である。

    マンホール(187):岡山県岡山市の下水道蓋

    善通寺・坂出に続いて掲載するのは岡山市の蓋である。岡山での蓋見は2回実施することができた。
    一度目は、博多から坂出に向かう途上の乗り換え中わずか十数分。JR駅周辺をぐるっと回ったにとどまる。
    二度目は、坂出から高松に出て二泊したあと、奈良に向かう途上の乗り換え中の一時間半あまり。
    しめて二時間にもならない短時間ではあったが、ご当地インフラひと通りを最低限撮影することができた。

    まずは下水道から始めよう。

    mh187岡山市下水道 (1) mh187岡山市下水道 (2)
    駅の近くでまず見つけた二枚。殆んど同じ物件だが、よくみると違いがあるのがお分かりだろうか。

    mh187岡山市下水道 (4) mh187岡山市下水道 (3)
    右下部分の文字が違うのだ。かたや「げすいどう」かたや「城下筋」とある。城下(しろした)は岡山城下の一帯の地名で、電停の名にもなっている。城下筋が岡山市の目抜き通りの名であるようだ。

    mh187岡山市下水道 (5) mh187岡山市下水道 (6)
    その大通りを岡山電軌に乗って城下電停に出、城の方へ足を伸ばすともうひとつ別の種類が出てきた。「烏城道」である。烏城は岡山城の別名で、壁板の色が黒かったことにちなむ。本来の天守は戦災で焼失したが、戦後再建された天守も勿論元通りの黒い外観である。

    mh187岡山市下水道 (7) mh187岡山市下水道 (9) mh187岡山市下水道 (10)
    絵蓋以外はこのような紋様のものが目についた。三枚目のように東京市型風のものもあった。

    mh187岡山市下水道 (8)
    紋章部分の拡大。岡山市章で、中央の¥のようなものが「岡」、周囲を取り巻く4つがそれぞれ「山」の図案化。

    mh187岡山市下水道 (11) mh187岡山市下水道 (12)
    あまり住宅街のようなところは歩けなかったので、一般の家庭用の汚水枡はそれほど見つけられなかった。古蓋探しと併せて次回(あるのやら)の課題である。

    マンホール(183):香川県坂出市の下水道蓋

    前回の善通寺市上下水道に続いて、今回は坂出市の蓋を取り上げる。

    坂出市は香川県の海側のほぼ真ん中の街で、瀬戸大橋で四国本島に渡る場合の玄関口に当たる。
    市制施行は昭和17年と割と早い。かつては製塩と港湾で栄え、戦後は港湾の埋立地を中心とした工業地帯として発達したらしい。
    現在の人口は55000人を切る程度。国勢調査の結果を見るに、人口減少と若年層の流出・高齢化の進む典型的な地方都市のようで、実際坂出駅付近の商店街などを歩いてみた感想もそれと符合した。
    そうであっても某我が故郷のように荒れ果てた感じはなく、落ち着いた雰囲気の街であるのは救いだろう。

    さて、下水道について。
    西日本は都会を除いて総じて普及率が低い傾向にあるが、四国は特にそうで、香川県の普及率も平成24(2012)年度末で42.4パーセントに過ぎない。坂出は県平均の半分、20.7パーセントとなっている。
    香川の下水道は基本的に流域下水道であるようで、香川県下水道公社が統括している模様。同社のサイトによれば、坂出市下水道は昭和60年に供用開始、処理区域は大束川浄化センターに含まれているようだ。坂出駅周辺は既に供用されていることも読み取れる。

    坂出市滞在は数時間にとどまったが、主に駅近くの坂出市文京町などで蓋探しを試みた。

    mh183坂出下水 (1) mh183坂出下水 (2) mh183坂出下水 (6)
    中央にあるのは坂出市の市章。「汚水」文字入り、文字なし枠付き、同枠なし穴あき。

    mh183坂出下水 (3) mh183坂出下水 (4)
    県道19号線歩道にあったタイル張り蓋。

    mh183坂出下水 (5)
    雨水蓋と曲がりくねった側溝。たぶん電柱をなるべく道幅を狭めない位置に建てるのを優先した結果だろう。
    プロフィール

    rzeka

    Author:rzeka
    マンホール等探索者。

    因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
    rzekaはポーランド語で川の意。因みに発音はIPAだと[ˈʒɛka]になる。「じぇか」に近い音。



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