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    探蓋日記(7/8):巣鴨~千駄ヶ谷~代々幡

    久々に蓋探しをしてきたので、いつもとは趣向を変えて日記形式でまとめてみようと思う。

       ※   ※   ※   

    朝九時過ぎに出発。曇りっぽいから涼しいかな、と思ったが案外暑くなりそう。当ては外れたが、めげずに都営三田線・白山駅へ。「都営まるごときっぷ」という名の1日乗車券(700円也)を購入。これ一枚で都営地下鉄・都営バス・都電荒川線が乗り放題になる便利な切符である。

    まずは二駅北上して巣鴨を目指す。駅からほど近い染井霊園内に、巣鴨町下水道の丸蓋があるはずなので見に来たのである。

    mh102-1巣鴨町霊園入り口
    霊園入口。あまりにもあっけないことに、既に標的は射程に収まっている。

    mh102-2巣鴨町  mh102-3巣鴨町紋章部
    これが巣鴨町の蓋。名古屋市型のデザインなので目を引く。右は紋章部の拡大。「巣」の字の図案化だと思われる。なお、この紋章の天地に関してはどうやら確証はない。一般に上の画像の逆とされているケースが多いようだが、次のような絵解きが成り立つことから、私見ではこれが正しい気がしている。

    sugamomachi.jpg

    霊園内にはもう一枚あるはずなのだが、こちらは見つけそこねた。二葉亭四迷長谷川辰之助の墓などに参る。園内には著名人の墓の一覧などもあったが、全体にかなり渋め。通好みの霊園なのか。
    ところどころに倒れた石塔などが見て取れる。震災の名残であろうか。

    霊園の周囲を囲繞するやけに細い路地をしばらくぶらついたあと、西のほうを目指して住宅地を進む。

    電電公社ハンドホール?
    …足元になにかある。遠目には、ちょっと巣鴨町の燈孔のように見えたが、残念ながらそうではなかった。マークは電電公社のもののようだ。用途不明のハンドホールである。長辺でも30センチ足らずだったと思う。大きめの仕切弁程度だ。
    [後日注その1:似たようなハンドホールを見つけた方がいた。こちらの下の方に載っているが、倉敷市だそうだ。]

       ※   ※   ※   

    巣鴨を抜けて、北区西ケ原へ。外語大跡地(それにしてもしっぽりとしたところに建っていたんだなあ)の脇を通り、駒込の霜降橋に繋がっているらしい商店街を往く。

    cat11.jpg
    すると、古本屋の店先の台を一心不乱に引っ掻いている猫発見。ストレスでも溜まっているのかね。
    あ、これが爪とぎってやつなのか? よくみるとかなり爪が長い。日頃からこまめに研いでおけばそんな一心不乱に砥ぎ狂う必要はなかったんじゃないのか。こいつ、締切間際までレポート書けないタイプのニャンコだな!
    ようやく都電の西ヶ原四丁目駅に着いた。大塚まで都電に乗る。大塚でうどんを食い、都営バスで春日駅へ。
    春日駅からは三田線で都心へ出ようと思ったが、寝過ごして白金台に出る。
    そういえば「白金に燈孔があるかも」って話があったなあ、丁度いいから探そう…とか思ってちょっとうろついたが、もとより場所がわからないのですぐに諦め、天現寺橋から都営バスで千駄ヶ谷へ。

    なお、ここまでで一日乗車券はとっくにもとが取れている。賢く使えばすぐにもとが取れる、便利な切符である(まあ都営の定価がもともと高いから得に感じるだけって話もあるが)。

       ※   ※   ※   

    千駄ヶ谷八幡というバス停で降り、予め調べていた千駄ヶ谷町下水の蓋の所在地へ向かう。

    水道く
    途中の路上に変なモノが。なんだこれ。想像するに水道管の屈曲部の標示か何かか?

    cat12.jpg
    住宅地の空き地でくつろぐ猫。よくもまあそんなにグータラできるな、それでもケモノか!


    mh103-1千駄ヶ谷町遠景
    とかくするうちに、問題の路地である。ここは下水道台帳に載っていないから、私道扱いなのかもしれない。

    mh103-2千駄ヶ谷町  mh103-3千駄ヶ谷町紋章部
    いやあ、ひねりのない豪快なデザインの紋章。拡大すると「千」の字の上下に見えるのは「土木」? 東京都のが「下水構え」なら、さしずめ「土木構え」か。多分土木課とかそういう名称の部署が管轄していたのではなかろうか。

    目的の蓋を撮り終えて、暫く界隈を歩くことにする。代々木1の暗渠っぽい路地を歩いてみるが特に何もなし。
    代々木駅で大江戸線に乗り、西新宿五丁目駅まで移動。
    [後日注その2:特に何もなし、と書いたあたりに東京市の燈孔があった模様。ニアミスして見逃した模様…。]

       ※   ※   ※   

    西新宿五丁目駅を出ると、駅出口の裏が暗渠みたいだった。多分神田川の一支流かと思い調べてみると、いわゆる笹塚支流の中~下流部分だった。ああ、ここを通っていたのか、と膝を打つ。
    今回ここにやってきたのは、渋谷区北西部にかつてあった代々幡町水道の蓋をさがすためだった。古い道などがありそうな気がして、渋谷区境の突端部である本町界隈を歩きに来たのである。

    とりあえず方南通りを北の方へ。住宅地を分け入ると、さっきの暗渠の続きとそれに掛かる橋の痕が。

    つみき橋_神田川笹塚支流 (3)  つみき橋_神田川笹塚支流 (2)
    つみき橋_神田川笹塚支流 (1)  つみき橋_神田川笹塚支流 (4)
    隙間から斜めにカメラを向けると、柱に彫られた文字を撮る。大正十三年三月に落成したもので、橋の名前は読みにくいが調べたところ「つみき橋」というらしい。

    地図を見つつもうしばらく行くと、新宿・渋谷・中野三区の境界線が一点で交わる地点があった。

    中野新宿渋谷交点1  中野新宿渋谷交点2
    ちょうど角のあたり。右画像は逆方向(中野側から渋谷側)からのもので、T字路の奥が渋谷、右が中野、左が新宿だ。
    なお、中野区の部分の所番地は弥生町1-1。

    看板_中野弥生町1-1
    花の一丁目一番地だからなのかは知らないが、古い町名看板が現存していた。

    狭い区境
    中野・渋谷区境はこんな狭い路地だったりもする。

    柳橋_神田川笹塚支流 (3)  柳橋_神田川笹塚支流 (1)  柳橋_神田川笹塚支流 (2)
    さて、ここからちょっと戻り、例の笹塚支流の方へ行くと別の橋が。昭和7年9月にできた柳橋である。

    …こんな具合に色々あったのだが、肝心の蓋に見るべきものがない。ぼちぼち時間も押してきたので、幡ヶ谷の方に向かうことにした。17:16には幡代バス停に着かなくちゃ。

    cat13.jpg
    引き返す道々にも猫。超高速で後ろ足を動かし、けりけりと掻いている。
    これはズーム最大で撮ったのだが、まあまあよく撮れている。富士フィルムの最安のコンデジなのだが、性能をちょっと見直した。

    cat14-1.jpg  cat14-2.jpg
    別の猫。こいつは私につかず離れず歩いているので構ってくれるのかと思ったら、全然そんなことはなく逃げられた。
    小学校の脇を通ると塩素の匂いが立ち込めていた。そうか、内地の小学校にはプールがあるんだ。

    本町の中心部分に近づく。やたら蛇行した通りが一本貫いている(といっていいのかよくわからんが、とにかく曲線なりに一本通っている)。道道色々と観察して歩くが、蓋はない。

    消火栓ホース
    消火栓から黒いホースが覗いている。なにこれ?

    mh7-7汚水枡?
    あ、 この汚水枡は見たことないかも。手元の写真とはちょっと様式が違うっぽい。

    …という具合に歩いていたら、甲州街道に出た。今日のマンホ歩きはおしまいだ。結局代々幡編は空振りに終わったなあ…と思って、バス停目指し横断歩道を渡る。そこで私が見たものは…。

    mh101-3代々幡町制水エン_初台
    なんと代々幡町水道の制水弇! これと同様のものは目黒区でひとつ現存報告があり、そちらは既に見たことがあるのだが、これは前情報なしに見つけた新発見! 笹塚駅近くにあるという未見の蓋と併せて、3つめの現存報告がここに成った。Ура! 位置はここ

       ※   ※   ※   

     最後の最後に、奇跡的な発見を得た。大いなる充足感とともに、都営バスで阿佐ヶ谷に向かった。名画座・ラピュタ阿佐ヶ谷にて「蟻地獄作戦」(1964/東宝=宝塚映画・坪島孝監督)を観るために。
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    プロフィール

    rzeka

    Author:rzeka
    マンホール等探索者。

    因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
    rzekaはポーランド語で川の意。因みに発音はIPAだと[ˈʒɛka]になる。「じぇか」に近い音。



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