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    千駄ヶ谷町マンホールのどら焼き

    以前の記事で千駄ヶ谷町のマンホールを取り上げたが、これをお読みになった地元の千駄ヶ谷大通り商店街の方から、思いがけない贈り物を頂いた。

       DSCF4243.jpg
       DSCF4244.jpg
    (どら焼き表面の柄を撮るのって難しい。大差ないが、色調違いの二枚を掲載してみた)

    商店街のイベントの際に、300個限定で製作販売なさったそうである。「センホール焼き」という名前だそうだ。
    結構もとの蓋からの再現度が高いので驚くとともに昂奮した。すばらしい。

    筆者に連絡をくださった商店街役員のOさんによれば、この蓋の存在は町会や商店街で数年前から話題になっていたそうだ。
    昨今骨董蓋が次々に失われつつあるなかで、かんじんの地元の方に注目されていることは大切だと思う。80年ものの蓋なので近い将来交換せざるを得ないかもしれないが、貴重な旧千駄ヶ谷町時代の遺産としてどうか保存されてほしいものである。

    なお、千駄ヶ谷大通り商店街とはここ↓を横切っている通り周辺のようだ。千駄ヶ谷駅方面からこの蓋を見に行くときにはここを通るとわかりやすい。地図の左下端に竹田医院という病院が表示されていると思う(閲覧環境によって違うかもしれないが)が、肝心の蓋はこのあたりにある。

    大きな地図で見る
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    マンホール(114):工業用水道の消火栓

    泥吐室」「連絡制水弁etc.」に続く工業用水の蓋である。

    mh114-1工水消火栓_日暮里
    日暮里にて発見。

    mh114-2工水消火栓
    記念すべき第一回マンホールナイトのあと、朝帰りの途上で発見。北区内だったと思う。


    工業用水道の配水管から水を取り出しているのだろうが、他に一般消火栓との違いはあるのだろうか?
    確か消火栓の設置は水道法に定められた義務だったと思うが、工水にも一緒くたに適用されるものなのだろうか?
    今度調べてみよう。

    マンホール(113):東京市(都?)の消火用吸水孔

    現在は暗渠となっている渋谷川の八千代橋の上に、東京府の設置した「消火用吸水孔」なる蓋が2枚残っていることは暗渠/マンホールマニアの間ではよく知られている。
    この消火用吸水孔の実態はよく分かっていない。渋谷川改修工事の記録から昭和10年ごろの設置ではないかと推測されているが、定かではない。また、そもそも開渠から水を汲むのに橋の上に孔を開ける必要があるのか(適当に水面にホースを放り込むのではいかんのか?)、あるいは蓋の下にはなにかポンプ的な設備があるのか等々、機能に関しても疑問が多い。他に設置例がないことから類推も難しく、親しまれている割に生態のわからないという、ウナギやスズメのような蓋であった。

    ところが先月、善福寺川に架かる和田廣橋に東京市/都章入りの消火用吸水孔があるという発見報告が飛び込んできた。早速(でもないが)、用事のついでに調査に行ってきた。

    mh113-1 都消火用吸水孔
    まずは問題の橋を脇から見てみる。蓋はだいたい橋の真ん中にあるが、真下にはとりあえず大きな装置などは見えない。ありふれた普通の橋だ。

    mh113-2都消火用吸水孔
    そしてこいつが問題の蓋である。府の蓋と違い、外枠に斜め格子の地紋がない。また、内側の地紋も粗い。特に他の蓋との類似点等はない。

    mh113-3都消火用吸水孔
    文字の拡大。府のものとも違っている。

    mh113-4都消火用吸水孔
    鍵孔。覗いてみると水面の流れが直に見える(動画にしてみた⇒mh1137.swf)ので、現在蓋の下は筒抜けであることが伺われる。かつてはなにか装置があって、取り外されてこうなったのかもしれないが。

    mh113-5都消火用吸水孔
    橋の向こうを見てみる。中野区だ。ところで橋の真ん中のここは何区なんだろう…。

    mh113-6都消火用吸水孔
    今度は中野区に立って橋を見てみる。橋の親柱の下の方に「T10」と書いてあったが、これは大正10年完成の意味かもしれない。古い地図等を見比べて想定しうる設置年代が、実のところちょうどその頃なのだ。
    ただ、大正10年にかけられた橋であったとしても、架橋当初から消火用吸水孔が設置されていたということはなさそうだ。大正年間には東京市外であったこの橋に、東京市章入りの蓋があるのは変だ。大正からあったなら、こちらも府の設置でなくてはおかしいことになる。
    もっとも、渋谷の蓋でおなじみの府章は昭和6年だかの制定なので、大正期に設置例があったとしてもあの府章は付いていなかっただろうが(ああややこしい!! 一見さんには何言ってんだか解るまいな…)。


       ※   ※   ※   


    開渠上の消火用吸水孔を実見して気づいたが、孔は大体橋の中心、すなわち川幅の真ん中辺りに開けられていた。もしかすると、流れのうちでいちばん深さのあるところから水を得ようというのが消火用吸水孔の趣旨ではなかったかと思われた。橋上や岸からやみくもにホースを放り込むよりは効率がよさそうである。

    また、これらが設置されたと思われる昭和初期の東京の消防について文献を探してみた。そのものずばりの資料はなかったが、関連のありそうな規程を発見した。1930年7月に制定された「非常時火災警防規程」というものである。
    これは関東大震災の失敗を踏まえたうえで、大災害、さらに来るべき空襲(日米開戦が現実味を帯びるよりかなり早くから防空の必要は喧伝されていた)に備えた防災計画を定めようとするものだった。

    この規程の幾つかの項目の中には、「自然水利の整備」も含まれているようだ。
    関東大震災のときには、どうやら消火栓は断水等で十分な成果を挙げられなかったのが実情であったらしい。まして空襲対策を考えるなら、配水管がやられたら末端の全消火栓が死にかねない上水道依存の防火計画ではダメだったわけである。
    少しでも安定した自然水利を確保することが帝都の防衛のために求められた時代であった。確証はないが、消火用吸水孔はその一環として設置されたものだったのかもしれない。今後同様の蓋がさらに出てくれば類推も深まるかもしれない。

    マンホール(112):武州ガスのマンホール

    上福岡市ネタが続いていた。旧福岡町らしい蓋を紹介して締めたつもりだったが、もうひとつガスのネタがあるのを忘れていた。なお電気・電話関係は都内と一緒なので特に何もない。

    東京ガスのような大手の圏内ど真ん中に住んでいると案外気付かないが、都市ガス会社というのは結構たくさんあるものらしい。埼玉県ガス協会の会員一覧によると、埼玉県内では18社が都市ガス事業を展開しているようだ。東京ガス、東彩ガスに続く三番手が、ここに紹介する武州ガスである。

    上記サイトによれば、武州ガスのエリアは川越市、ふじみ野市、狭山市、所沢市、鶴ヶ島市、日高市、吉見町、川島町、毛呂山町、飯能市の全体あるいはそれぞれ一部ということらしい。

    mh112-1武州ガス大
    「武州ガス」 消火栓丸蓋くらいの大きさ。

    mh112-2武州ガスK
    「武州ガス(K)」。

    mh112-3武州ガスT
    「武州ガス(T)」。

    mh112-4武州ガスK小
    「武州ガス (K)」 小蓋。


    マンホール(111):埼玉県福岡町?の消火栓蓋

    ここで今更ながら上福岡市史をかいつまんで紹介。Wikipedia引き写しだけど。

    1889(明治22年)埼玉県入間郡福岡村が発足。
    1914(大正3年)東上鉄道(現東武東上線)上福岡駅開業。
    1960(昭和35年)町制施行、福岡町となる。
    1962(昭和37年)水道が創設。
    1966(昭和41年)創設水道竣工。
    1968(昭和43年)第一期水道拡張工事起工。
    1971(昭和46年)第一期水道拡張工事竣工。
    1972(昭和47年)市制施行、上福岡市となる。 ※上水道は、以降第三期まで拡張。
    2005(平成17年)10月1日 入間郡大井町と合併し、ふじみ野市が発足。
    (参照:ふじみ野市水道ビジョン ※PDF

    創設水道と第一期水道拡張工事に関しては、この通り福岡町時代に行われている。福岡町と上福岡市で市章が違うのかどうかはまだ調べていないが、もし違っていたなら創設~第一期の蓋には福岡町のものがしるされているはずである。

    というわけで、福岡町時代のものであるかもしれない蓋を紹介する。

    mh111-1福岡消火栓
    車道上に当物件はある。

    mh111-2福岡消火栓拡大
    近寄ってみると、コンクリ充填式の外枠がついた古めかしい消火栓だった。

    mh111-3福岡消火栓紋章部
    紋章は上福岡市のものとは違う。福の字の周りのカタカナ風の字は何だろう? どこかで市史等を見られればわかるかもしれない。
    プロフィール

    rzeka

    Author:rzeka
    マンホール等探索者。

    因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
    rzekaはポーランド語で川の意。因みに発音はIPAだと[ˈʒɛka]になる。「じぇか」に近い音。



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