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マンホール(162):浜松町の現役の自動洗浄槽

東京都下水道の骨董蓋に、自働洗滌槽というものがある。
リンク先の過去記事に詳細は記してあるのでここでは述べないが、要はサイホンを応用して水を流して下水道管をすっきりさせる道具である。

下水道設備が未発達だった昭和初期には2000以上あったこの設備は、戦後に至って必要性が低下したためか設置されなくなったと思われていた。
しかし今年の初め頃、浜松町にあった旧式の「自働洗滌槽」蓋が撤去され、代わりに新造の「自動洗浄槽」が設置されたという驚くべき情報が飛び込んできた。
なんと、いまでも2箇所でサイホン式の自動洗浄槽が現役だというのだ。その内のひとつがこれである。

mh162- (1)  mh162- (2)
大通り(第一京浜)の手前に、二枚組のこいつはある。ここは下水道管の始まる部分で、管渠は第一京浜地下ではなく手前側に向かって伸びている。

mh162- (4)  mh162- (3)  
昔風に言うと左写真が甲種・右写真が乙種。昔と違って両者に区別はないように見える。

mh162- (6)
マークもいわゆる「下水君」ではなく桜マークだ。付加機能蓋に多い、鉄蓋工業の製品と思われる。
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マンホール(161):幻の東京市水栓ハンドホール蓋

先日作成した「マンホールのふた〈日本篇〉東京篇・上下水道の部注釈」に寄せられる新情報は一段落し、ぼちぼち未報告の骨董蓋なんてのも尽きたのかもしれないな、などと思っていた今日この頃。

去る14日(土)、所用で立ち寄った東大本郷キャンパス赤門の裏にて、一見虐待蓋の如きものを見つけた。

mh161-1.jpg mh161-2.jpg mh161-7.jpg
赤門を内側から見た図。だんだんクローズアップしていくと……。

mh161-3.jpg
こんなやつがいた。なんだこれ?

mh161-4.jpg
この東京市章はまあ見慣れたやつだが、「水栓」の二文字だけというのは珍しい。東京市の場合ふつう「止水栓」で、たまに「水止栓」なのだ。「止」の字がすっかり消えてしまったのか?

mh161-5.jpg
問題は下部のこの穴である。こんなものは見たことがない。破壊されてこうなった虐待系の物件だろうか?

よくわからないなりに珍しそうだったので、Twitterに投稿してキャンパスを後にした。




すると例によって #manhotalk 界隈の達人から早速のリプライが。なんと『大東京市民の常識』(大東京社、大正10)という書物に似たような蓋の画像があるというのだ。

mh161-10.jpg mh161-11.jpg
近代デジタルライブラリーより画像と説明文を頂いてきた(※著作権保護期間満了)。かなりラフな絵ではあるが、なるほど今回見つけたものは8の蓋らしい。やはり「水止栓」ではなく「水栓」だったか。なお9はこれまたラフだがこいつのことだろう。
問題の大穴のあいた部分には、なにやら五角形が描き込んである。レンチの雌穴か何かであろうと思うが、よくある六角ではなく本当に五角形だったのか……?この蓋については仕様書も現物も他の情報が見当たらないので真相は不明である。

mh161-6.jpg
そこで再訪して詰まっている砂を少し掻きだしてみた。もっとしっかりやらないと確かなことは言えそうにないが、どうやら図の通りレンチ穴的なものがありそうだ。
この手のハンドホール蓋でレンチで開閉する仕様というものは他に聞かない。こうやって土砂に埋もれて使い物にならなくなる欠点が嫌われたのではなかろうか。

mh161-8.jpg  mh161-9.jpg
なお、この蓋の向こうには現役と思しき止水エンと量水器が並んでいる。代替わりはしたが撤去されずに残っているというパターンであろう。他に現存例があればぜひとも知らせていただきたいと思う。

マンホールナイト発表資料・参考文献

本日王子の古書カフェ・くしゃまんべで開催された「第二回マンホールナイト」で筆者は「暗渠と蓋」というテーマで発表を行いました。

プレゼンテーション(パワーポイント)と配布資料をここで公開します。ついでに、暗渠とマンホール関係の基本図書を一挙紹介。

プレゼンテーション(GoogleDocs)
配布資料(同)

◇参考文献等一覧
●ウェブサイト
東京都下水道局>下水道台帳
国際日本文化研究センター>所蔵地図データベース

●書籍
・河口協介『上水工学』(常磐書房、1931)
・東京都防衛局編『現行防衛関係法規類集』(帝国地方行政学会、1944)
・『ヂョインテーク式 現行大東京法規』(大日本法令出版)
・『渋谷の橋』(東京都渋谷区教育委員会、1996)
・『都史資料集成 第12巻 東京都防衛局の二九二〇日』(東京都公文書館、2012)

◇暗渠・マンホール関係の本
・『東京ぶらり暗渠探検 消えた川をたどる!』洋泉社
・梶山公子『あるく渋谷川入門―姿を隠した都会の川を探す』中央公論事業出版
・菅原健二編『川の地図辞典 江戸・東京/23区編』、『同 多摩東部編』之潮
・田原光泰『春の小川はなぜ消えたか 渋谷川にみる都市河川の歴史』之潮
・皆川典久『東京「スリバチ」地形散歩』洋泉社
・中沢新一『アースダイバー』講談社

・林丈二『マンホールのふた (日本篇)』サイエンティスト社
・『マンホールの博物誌』ダイヤモンド社
プロフィール

rzeka

Author:rzeka
マンホール等探索者。

因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
rzekaはポーランド語で川の意。因みに発音はIPAだと[ˈʒɛka]になる。「じぇか」に近い音。



当ブログについて:リンクはご自由に。拙文がリンクされるようなサイトの話題には多分関心があるので、よければリンク張ったら呼んで下さい。画像の直リンクはfc2の環境上望ましくない(ちゃんと表示できないケースが多い)ようですので、あまりおすすめしません。なるべく記事ごとかブログトップ、カテゴリトップへのリンクを推奨します。但し、文章・画像その他すべての著作権は当方に帰属します。 ©rzeka

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