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    マンホール(168):千住町再訪 謎角蓋と外された丸蓋

    6月はじめのある午後、久しぶりに北千住界隈を訪れた。
    前回歩かなかった路地で、あわよくば千住町下水の蓋か江戸川上水の蓋を見つけようと思ってのことであったが、あれから1年半の間何人もの探蓋者たちに調査されただけあって、珍しいものは特に何も出ないのであった。

    ふらふらと北千住の駅まで歩く。途中商店街など覗いてまわりながら。
    すると、バス通りの裏に細い路地があって、いくらか商店が並んでいるのが見える。
    探蓋師の勘がはたらいた。ここには何かあるかもしれない。

    案の定、商店の脇に初めて見る角蓋が。

    mh168千住町再訪 (1)
    結構古そうな汚水枡蓋である。この紋章が気になる。
      
    mh168千住町再訪 (2)  mh75-2.jpg
    千住町の既知の紋章と並べてみる。
    かなり違うが、どちらも千住の「千」の字を3つ回転対称に配置した図案に見える。
    立地や時代を考えると、何らかの理由から用いられた町章のヴァリエーションではないかとも(かなり都合の良い)想像が働くのである。
    (2013/07/18追記:人づてに聞くところによれば、林丈二氏もこれを千住町のものとする意見をお持ちとのことだ)


    さて、これを撮っていたら、商店の人に何しているのかと話しかけられた。そりゃそうだ、どう見ても怪しい人である。
    失礼を詫び、マンホールマニアなので気になる古い蓋を見つけたので撮らせてもらったと説明した。すると、店のおばさんが「いいものがある」と店の裏に手招きをする。
    一体なんだろうと思ってついていくと、そこにあったのはなんと。

    mh168千住町再訪 (3)  mh168千住町再訪 (4)
    千住町の丸蓋! 外されて静態保存されているではないですか!
    話を聞くと、7,8年前に下水道工事が入ったとき、昔なじみのこの蓋を貰い受けて取っておいたそうだ。
    千住で永いこと商売をしている家の方で、蓋の他にも古い千住の写真を保管して郷土資料館(的なところ)に提供したりと色々なさっているそうだ。
    子供のころ、そこらじゅうに千手町のこの蓋が残っていたことなど、貴重な地元話を聞かせてくれた。
    「タモリ倶楽部」で取材に来ないかなどと言っていたが、いつか実現する日は来るだろうか。なまじ路上に現存している事例よりは面白いんじゃないかと思う。

    mh168千住町再訪 (5)
    なお、交代で設置された現役蓋はこちら。2005年に管渠が再構築されているようで、証言とも合致する。
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    マンホール(167):北豊島郡巣鴨町の下水角蓋

    だいぶ前に写真を撮りに行ったまま放置していた、巣鴨町の下水角蓋である。

    丸蓋については以前記事にした通りなので省くが、林丈二「マンホールのふた (日本篇)」によれば、巣鴨町下水道の角蓋は刊行当時(1984)巣鴨3-9周辺に2枚現存していたらしい。
    うち一枚は撤去されたらしく、ここに紹介する物件はその片割れということになる。

    mh167巣鴨町角蓋 (1)  mh167巣鴨町角蓋 (2)
    当時の角蓋では一般的な、四個巻の縁石である。斜めになった鍵孔は尾久町でも見られる様式だ。

    mh167巣鴨町角蓋 (3)
    紋章は丸蓋と同じ。

    mh167巣鴨町角蓋 (4)
    周辺風景。

    マンホール(166):逓信省の電話丸蓋

    逓信省の角蓋については以前記事にしたが、ある日神保町を歩いているとき、丸蓋も残っているのを発見した。

    mh166-1.jpg
    横断歩道から交差点の内側に入ったところにある。

    mh166-2.jpg
    交通量も少なくないので撮りにくいのだが、朝イチであるからなんとか近づくことができた。

    mh166-3.jpg
    文字はかなりすり減っているが、どうやら「電話」であるようだ。

    mh166-4.jpg mh166-5.jpg
    この日は2012年5月21日。記憶に新しい…かは微妙なところだが、金環食の見られたあの朝なのであった。

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    プロフィール

    rzeka

    Author:rzeka
    マンホール等探索者。

    因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
    rzekaはポーランド語で川の意。因みに発音はIPAだと[ˈʒɛka]になる。「じぇか」に近い音。



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