マンホール(214):東京市水道局の紋章入りコンクリ小蓋

都内の特に都心部を歩いていると、わりとよく出くわすのがこの手の鉄枠+コンクリート製の小さな丸蓋である。

mh201全生庵 (1)

これについては以前の記事を参照頂きたい。
この蓋の用途は明示されてはいないが、大きさや設置場所から察するに制水弇阻水弇制水弁と同様と考えてよさそうだ。
設置年代も判然とはしないが、コンクリート製人孔蓋同様、昭和一桁後半~物資欠乏の戦中戦後あたりが盛期ではないかと思われる。

さて、上掲の蓋であるが、これはコンクリ部分に都章が陰刻されていて鍵穴部分には特段の意匠がないデザインだ(都章は摩耗したものが多く、中にはもともと陰刻が無かった気配のある蓋もある)。

これに対し、コンクリ部分に都章がないかわり、鍵穴部分になにやら彫り込んである蓋があることが知られていた。林丈二「マンホールのふた」24頁にも写真と解説が掲載されているが、文中で林氏はこの紋章を「日本水道史」(1927)掲載の東京市水道(267頁)のものと比定している。

「マンホールのふた」刊行当時には「旧東京市15区内の区域で時々見かける」ものであったというこの蓋だが、今日ネット上で報告されている例は港区白金千代田区霞ヶ関新宿の3例のみではなかろうかと思う。

個人的にはこの様式の蓋はいずれも行きそびれていて未見であった。しかし昨日、湯島三丁目梅光町会の物件を探しに該地に赴いたところ、偶然この蓋を見つけることが出来た。




mh214東京市水道章 (1) mh214東京市水道章 (2) mh214東京市水道章 (3)
雨に濡れていたせいもあり資料写真としてはいまいちだ。ともあれ肝心の紋章は見て取れよう。これを含む4例とも、鍵穴の向きは(紋章中の*を人孔紋章学の常識に従って「水」と読み解いた場合)横方向となっている。

mh214東京市水道章 (4)
所在地。ストリートビューでも見えます↓。


大きな地図で見る
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マンホール(213):北豊島郡王子町下水の角蓋など

王子町下水については、過去記事に概要と十条駅付近の人孔丸蓋を紹介済みである。

この他に、王子本町2丁目に多数の丸蓋とここにしかない角蓋があることが報告されていた。昨年夏、第4回マンホールナイトに併せて催されたマンホール街歩きの際に現地で撮った写真が出てきたので、これも記事にしてしまう。

mh213王子町 (1) mh213王子町 (2)
住居が解体された跡の空き地と思しきところに一枚。草に埋もれていてはっきりしないが、枠は石ではなくコンクリであろうか? よくみると王子町下水の紋章が残っているのがわかる。

mh213王子町 (3)
これは同地に10枚ほど遺る丸蓋の一つ。極めて狭い昔ながらの路地にあるのだが…

mh213王子町 (4)
周囲にはこのように狭いままだが今風に改造された部分もある。こんな大部分が側溝の道があってよいものだろうか…。工事が入っているものの、幸い丸蓋は健在であった。

mh213王子町 (5)
ついで。王子稲荷神社の付近で撮った痩せネコ。毛色が陰になるので、本物以上に細く見えるかわいそうなやつである。

マンホール(212):東部下水道町村組合の蓋

これはどうにか路上物件を見つけるまでは記事にするまいと思っていたのだが、正直無理そうだとわかってきたので記事にしてしまおう。

詳しくは路上文化遺産DBを参照いただきたいが、東部下水道町村組合とは、北豊島郡に属する南千住町・日暮里町・三河島町の三町が昭和3年に結成、昭和6年に着工した下水道組合だ。
この3町が隣接する尾久町とともに東京市荒川区となるのは昭和7年10月であるから、町村組合としての活動期間はそう長くない。

マンホールのふた」刊行当時には旧3町の区域にそれなりの現存数があったようだが今は聞かない。また区域外の新宿区高田馬場界隈にも数枚燈孔があったそうだが、これも数年前に更新され現存しない。

DBにあるように、公開施設では「虹の下水道館」という広報施設に人孔蓋が展示されている。それとは別に、ある下水道局施設に取り外された蓋が保管されていることを知り、一昨年の春に撮影してきたのがこれから紹介する画像である。

mh212東部下水道 (1) mh212東部下水道 (4) mh212東部下水道 (2) 
少々埃っぽいが、いずれも状態良好な人孔蓋が2枚あった。

mh212東部下水道 (3)
有名?な紋章。下水の二字の周りを、日暮里の・三河島の・南千住のが取り巻いているデザイン。昭和初期人孔紋章学の歴史に残る名作である。


   ※   ※   ※
 
東部下水道の蓋は路上に現存しないように書いたが、じつは一つだけ文京区内に越境蓋として遺っている物件が報告されている。
しかしこの蓋、往来の多い車道のど真ん中にあって撮影が非常に困難なのである。それでも撮影に成功した人がいるのがこの世界のすごいところ。

mh212東部下水道 (5) mh212東部下水道 (6)
私にできるのは歩道から狙うことだけだった……。

暫定版:ポーランドのネット書店から本を買う方法

以前、チェコから本を取り寄せる方法という記事を書いたことがある。
需要があるのかいまいちわからん内容ではあるが、「チェコ 本 買う」などのキーワードで当ブログに辿り着く人が月に1~2人はいるようなので、一部では読まれているのかもしれない。

さて、先日私はとある本を買うべくポーランドのネット書店に注文を出した。品物は一週間ほどで届き、既に手元にある。
この顛末を前回に倣って記事化してしまおうかと思った次第である。

ただ、前回記事からコピーしておくが、
この記事はあくまで自力で買うための参考に! トラブルやミスには自力で対応してください。質問を受けても答えられません。またいかなる事情で生じた不利益に対しても責任は負いませんので注意してください。
ということで、ひとつよろしく。まあ気がつけば質問に答えるくらいはしますけれど(確約はできませんが)。

また今回暫定版と銘打ってあるのには理由がある。実は注文確定画面の先のスクリーンショットを撮り忘れてしまっており、実際の画面に即した案内が出来ないのだ。
とはいえPayPal支払いを利用の場合は選択肢からPayPalを選んで確定するだけで、あとは普段通りの日本語か英語のPayPalサイトで簡単に手続き可能だから心配はいらないと思う。クレジットカード決済だとどうなるかはやっていないので知らないが、多分少なくとも英語では手続きができると思われる。

まあはっきり言ってしまうと、この程度の自動化されたショッピングサイトだとGoogleの機械翻訳でも十分書いてあることは分かるのですがね。ポーランド語→日本語では微妙な箇所もあるが、ポー→英語ならまず問題ないレベルに訳してもらえる。

では本題に。



01top.jpg
【1】今回紹介するのはMerlinという店。ポーランドのアマゾン的存在。
まずはMerlinにアクセス。トップページ青枠部から商品を検索してみよう。
(用語)szukaj=検索、プルダウンのwszystkie dzialy=全ジャンル、zaawansowane=詳細検索。

02kensaku.jpg
【2】検索ワードをとりあえず”haruki murakami”としてみる(別に”akira kurosawa”でも”Puella Magi Madoka Magica”でもなんでもいいけど)。
入力すると枠の下に商品のサジェストが出てくる。虫眼鏡のボタンをクリックして検索。
(用語)książki=本、Muzyka=音楽、Filmy=映画、以下略。いわゆる総合通販なのだが、とりあえず本/CD/DVD以外の商品は国外発送に対応しないものも少なからずあるので止すのが無難だろう。

03kekka.jpg
【3】検索結果。"66 wyników wyszukiwania w dziale Książki"=本のジャンルで66件と出た。青枠部分でソート可能。デフォルトではnajpopularniejsze=最もポピュラーなもの、つまり人気順で出る。
とりあえず赤丸部分の”Po zmierzchu”(「アフターダーク」である)をクリック。すると…。
(用語)Wyniki wyszukiwania=検索結果、プルダウンはautorzy=作者名、tytuly=タイトル以下略。

04product.jpg
【4】商品の個別ページに飛ぶ。青丸部分、24,99 złとあるのが価格。オレンジの”Dodaj do koszyka”=かごに入れるをクリック。なおZl=ズウォティで、だいたい1ズウォティがいま30円位だろうか。

05kagomae.jpg
【5】するとポップアップがでたあと、青丸部分がこのようになるはずだ。ここでW koszyku=カゴをクリックするとカゴに飛ぶ。他に買うものがあれば検索→かごに入れるの手順を続けても大丈夫。

06kago.jpg
【6】かごの中。もうちょっと大きくしてみる。

07kago_ue.jpg
【7】カゴの上部。Laczna wartość=商品の合計額

08kago_sita.jpg
【8】カゴの下部。ここで受取方法を指定する。赤枠内は日本宛の場合無関係な店頭受取り等について。青枠内が我々に関係する配送方法だ。緑丸内は、ポーランド国内宛の送料を加えた総額がとりあえず表示されているだけなので無視。

09japonia.jpg
【9】上のスクリーンショットの青枠内を入力する。まず赤丸部のkraj=国のプルダウンからJaponia=日本を選択。

10japonia_senkakugo.jpg
【10】すると画面が切り替わり、こうなるはずだ。配送方法は2つになる
・Kurierska Pocztex(送料は1回120ズウォティ+商品の個数ごとに22ズウォティ、2~4日)
・pocztowa priorytetowa(送料は1回20ズウォティ+商品の個数ごとに22ズウォティ、7~14日)

本1冊のみの場合、送料は142/42ズウォティ。3冊だと186/86ズウォティということになる。
前者がEMS、後者が航空便だと思うが、後者しか使っていないのでよくわからない。後者でも7日以内で届いたので、よほど急がなければ前者とする必要はなさそうだ(約3000円も違うし)。どちらかを選ぶと、先ほどの緑丸内の合計額もしかるべき値段になる。
選んだら右下のdalej=次へをクリック。

11login.jpg
【11】するとこういう画面になる。
赤丸はすでにアカウントを持っている場合。青丸は初めての場合。後者を選びOKをクリック。

12atesaki_ue.jpg
【12】次のページの上部。赤丸部のプルダウンからまたJaponiaを選ぼう。

13atesaki_naka2.jpg
【13】国を選ぶと、ページが切り替わる。半ば辺りに送り先を記入するフォームがある。

14kinyuurei.jpg
【14】これはこのように記入すれば大丈夫。チェコ版に続きあの有名な浪人生に登場いただく。
(例)〒203-0000 東京都東久留米時計坂2-6-5 一刻館5号室
   五代裕作
   電話番号090-1234-5678 ※国際表記では090を国番号81+90とする。
どの欄に住所のどの部分を入れるべきかは、日欧の住所の仕組みも違うし一概に言えないが、上のようにすればちゃんと届く宛名ラベルが先方で作成できるはずだ。

15atesaki_sita.jpg
【15】記入が済んだら一番下のDalejをクリックして確定。
あとはPayPal(推奨)を選んで、普通に手続きをすすめるだけだ。


…支払が無事済めば、
Informacje o Twoim zamówieniu w Merlin.pl nr:XXXXXXX
というタイトルのメールが届く。
発送されると、また
Zamówienie w Merlin.pl nrXXXXXXX zostało zrealizowane
というのが来るはずだ。

マンホール(211):新発見の荒玉水道量水器ほか

最近、骨董蓋の追加報告記事を続けて書いている。その流れに任せて今回取り上げるのは、先日見つけた荒玉水道量水器である。
荒玉の量水器は、以前にも中野区内で発見している。同記事中の赤羽の蓋はもう現存しないらしいので、この様式の現存例はひとつだけになっていた。

先日やはり中野区内を散策していた。古い町並みでなにかありそうなのだが、道路は割と新しくなっていて特に何もない。
この探蓋行は不発だなあ、と夕暮れ時を撤収も兼ねて駅に向かっていたところ、ある家の軒先に…。

mh211aratama (1)
これがあった。

mh211aratama (2) mh164荒玉水道量水器 (3)
一枚目(左)が今回のもの、二枚目(右)が前回のものである。表面の腐食は今回のほうがはっきり大きいが、同一様式であることは読み取れる。前回のものには右側に2つ穿孔が見られるが、これは後世のものだろう。


mh211-12.jpg
ついでに、近くにあった状態良好の小蓋。二匹目のドジョウはこれくらいで、近辺には特に古蓋は見当たらなかった。


   ※   ※   ※ 

ついでに、他所で見つけたものも一応掲載しておこう。  

mh211中野本町6 (1) mh211中野本町6 (2)
中野区本町6にて。水止栓。

mh211荒玉水道南阿佐ヶ谷2連 (1) mh211荒玉水道南阿佐ヶ谷2連 (2) mh211荒玉水道南阿佐ヶ谷2連 (3) mh211荒玉水道南阿佐ヶ谷2連 (4)
杉並区南阿佐ヶ谷に近接して2枚遺るもの。

mh211aratamasomei (1) mh211aratamasomei (2) mh211aratamasomei (3)
頭部が浮いていて側面が覗いている。染井霊園の近くに現存。
プロフィール

rzeka

Author:rzeka
マンホール等探索者。

因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
rzekaはポーランド語で川の意。因みに発音はIPAだと[ˈʒɛka]になる。「じぇか」に近い音。



当ブログについて:リンクはご自由に。拙文がリンクされるようなサイトの話題には多分関心があるので、よければリンク張ったら呼んで下さい。画像の直リンクはfc2の環境上望ましくない(ちゃんと表示できないケースが多い)ようですので、あまりおすすめしません。なるべく記事ごとかブログトップ、カテゴリトップへのリンクを推奨します。但し、文章・画像その他すべての著作権は当方に帰属します。 ©rzeka

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