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    マンホール(220):変わり地紋の「水道配線用」蓋

    先日手書きテレメータ記事を書いていて、その存在を思い出した蓋である。

    mh220都水道配線用大塚 (1)
    「水道 配線用」とある蓋。ふつうの水道局蓋は凹凸のレベルが2段階で、地紋の凸部と文字部分が同じレベル(地紋の凹部と文字部の背景も同一レベル)になっているが、これは地紋凸部と文字背景部が同じで、その上にさらに盛り上がって文字が鋳出されているのが珍しい。
    水道で配線ということは、これこれのように、やはりテレメータ用途のものだろう。実際にこの蓋のそばには制御装置ボックスらしいものが立っていたはずだ。

    mh220都水道配線用大塚 (2)
    同系統のデザインの「排水室」蓋と並んでいる。

    mh220都水道配線用大塚 (3)
    「水道 排水室」。

    文京区大塚にて。
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    マンホール(219):誤植やミスのある鉄蓋

    今回の蓋はどこかで紹介した気はするが、例の手書きテレメータ蓋のついでに思い出したので書いておく。
    なぜテレメータ蓋のついでかというと、単に二つの間の距離が近いからである。
    テレメータは江戸川橋南側をちょっといったところだが、以下に紹介する蓋は橋北側のバス停付近にある。

    mh219 (1)
    バスの客がいたので携帯電話のカメラで文字部分しか撮れなかった。空弁氣である。
    字の順番が違う。もちろん正しくは空気弁。
    誰も気づかぬまま納入され施工されたのか、水道局が許したのか。

    mh219 (2)
    ついで。ひとマスが塗りつぶされたような東京市型下水蓋。その一点を除きなんの変哲もない蓋だが、これは型を取りそこねた単純ミスだろう。阿佐ヶ谷の何処かで見つけた。

    マンホール(218):江戸川橋のハンドメイド・テレメータ蓋

    昨日の逓信省蓋記事の、いちおう続きであります。

       ※   ※   ※   

    ところでいきなりですが。
    愛蓋趣味の世界には、天下に一枚しかないとされる蓋がいくつか知られている。
    そのような天下一蓋はいきおい骨董蓋に多く、例えば
    千駄ヶ谷町下水・人孔丸蓋
    巣鴨町下水道・角蓋
    高田町下水・角蓋
    西巣鴨町下水・雨水桝蓋
    目黒町水道・消火栓蓋
    荒玉水道・複排気弁蓋
    などがある。

    しかしこれらの物件は、厳密を期して言うならば「かつて複数あったうちの唯一の現存例ではないかと目されている蓋」にすぎない。他に1枚たりとも残っていないことを証明するには、当該地域において完全なる虱潰し蓋見を行うしかなく、当局(上下水道局かあるいは警察力か)でもない素人の力ではまず無理だ。さしずめ悪魔の証明とでもいうべきか?

    本当に天下一と言い切れる蓋となると、その蓋を要する設備が世界に一箇所しかない物件(例:木之元神社の井戸蓋)か、あるいは製作過程上一品物でしかありえないような物件に限られてしまうのだ(ごくたまに通し番号が鋳込まれた蓋を使う事例があるらしい。これも確かに一品物ではあろうが、本稿で問題にしているものとは別と考えていただきたい)。

    一品物? そんなんあるのか? マンホールというと多量生産の工業品でしょう? 
    …とまあ普通そう思うだろう。しかし、あったのです。一品物。

       ※   ※   ※   

    昨日の記事の三枚目画像奥に写っていたものだ。

    mh218 (1)
    これだ。どう思うか。

    mh218 (2)
    拡大。これは出来合いの消火栓か何かの蓋の文字を削り取り、鉄線を溶接でもしたものでしょうかね。
    タの字だけちょっと大きくて不格好で、なんとなくテレメー夕(ゆう)にも見える。よく見ると文字の周りに鉄の雫がポツポツ落ちて固まっているし。
    どうでしょう。これを天下に一つ並ぶものなき蓋と認めることに問題があるだろうか。似たような経緯で手づくりされた蓋は他所にもあるかもしれないが、このヘロヘロの字体等がそっくり再現されているはずもない。
    おめでとうテレメー夕蓋、きみはオンリーワンでナンバーワンだ。やったぜ。

    mh218 (3)
    もういちど、逓信省蓋とのツーショット。

    なおこの物件は他の記事でいちど紹介しているもの。

    マンホール(217):江戸川橋の逓信省丸蓋

    逓信省蓋はこれまでに文京区の角蓋2ヶ所文科省前の角蓋神保町の丸蓋を紹介済みである。

    今回紹介するのは、文京区角蓋の一つめに掲げた音羽蓋の延長線上にある、江戸川橋を南に渡った先の文京区関口側の歩道にある丸蓋だ。

    mh217teisin (1)
    一部が削られているがコンクリート製らしき縁石を備えた、二の字地紋・〒マークの大きな蓋だ。

    mh217teisin (2)
    削れているのは歩道の端に位置するため。蓋の縁石が歩道の縁石を兼ねているとも言えるか。

    mh217teisin (3)
    まあこれ自体は、当ブログでも初出とはいえ特筆級の蓋ではない(とはいえ林丈二氏「マンホールのふた」によると東京では比較的珍しいものだったらしい)。
    問題は、この向こうの車道上にある角蓋なのだ。というわけで次回に続く。

    マンホール(216):水道排水栓の新仕様蓋

    骨董蓋の記事が続いていたが、今回は一気に時代を飛び越えて新しいものを紹介する。
    水道排水栓に関しては、当ブログの初期にきわめて簡単な記事を書いたことがあるが、今回はその続き。

    前の記事では排水栓の用途すら書かれていないが、これは要するに配水管路網の末端に置いて、管内に汚濁などが生じた際に排出するための設備だ。
    構造としては消火栓と変わらないことから、災害時に消火栓と同様に用いようとする協定が、東京消防庁と都水道局の間で締結されたことは記憶に新しい(そんなの知らんというツッコミは無用だ)。
    上のリンクには都区内に400余個存在するとある。いっぽう別の情報源によると都内に5000ヶ所あるそうだ。まさか三多摩や島嶼部に4600個あるとは思えない(実際のところ1590個との情報があった)ので、5000というのは多分集計方法が異なるのだろう。おそらくこれらの記事にある簡易排水栓4600基を含んだ数値だと思われる。


    mh216都水道排水栓最新 (2) mh216都水道排水栓最新 (3)
    これは池袋の外れの住宅街で見つけた設置されたばかりと思われる真新しいもので、上の過去記事のものと似ているが若干字体が異なる。なんとか車が通れるくらいの狭い道だった。

    mh216都水道排水栓最新 (1)
    これは高円寺北の路地で見つけた、やはり設置直後らしきもの。上のような斜め格子地紋ではなく、カタカナのハの字を連ねたような地紋が特徴的で、消火栓等の他種の蓋ではこの地紋はまだ見たことがない。
    プロフィール

    rzeka

    Author:rzeka
    マンホール等探索者。

    因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
    rzekaはポーランド語で川の意。因みに発音はIPAだと[ˈʒɛka]になる。「じぇか」に近い音。



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