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    マンホール(225):NPR(警察予備隊?)の蓋

    2014/10/05改稿


    mh225警察予備隊?
    牛込柳町駅に近い歩道で見つけたもの。数十年は経っていそうな通信系と思しきマンホールである。
    「NPR」とは聞きなれない団体名であるが、(陸上)自衛隊の前身(保安隊)の前身である警察予備隊(National Police Reserve)のものではないかという仮説が愛蓋界では唱えられている。練馬駐屯地前でも目撃報告があるなど傍証はあり、筆者も有望視している説だ(※他の現存例は後述)。練馬駐屯地には1951年に警察予備隊が移転してきている。
    今回掲載した蓋自体、市ヶ谷の現防衛省庁舎に近いといえよう。但し、警察予備隊があったころは市ヶ谷は朝鮮戦争の国連軍(事実上米軍か)が使用していたようで、NPR蓋を警察予備隊と解釈すると、これは占領軍との通信を目的としていたことになる…かもしれない。なお、市ヶ谷の返還は1959年だと聞く。

    警察予備隊は1950(昭和25)年8月に設置されたあと、1952(昭和27)年10月には早くも保安隊に改組されているので、仮説通りならば設置時期は二年あまりに絞られる。その点でも稀少な現存例である。
    ところで、T地紋(1949年考案)が示唆するように用途が電信電話・電力線であるなら、埋設物はどこかからどこかまで網状か少なくとも線状につながっているはずだ。しかし街中には、NPRの蓋も後進の自衛隊の蓋もそうそう見当たらない。保安上伏せられているだけで、実は偽装された防衛省蓋・自衛隊蓋は街にありふれているのかもしれない。


        ※   ※   ※


    先日、他サイト等の情報から都内にある他のNPR蓋を観に行ってきた。



    ↑麹町駅から市ヶ谷に至る歩道上にあった



    ↑事前に聞いていた、練馬駐屯地前にあった



    これは想定外の発見。平和台駅前にて。
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    マンホール(224):東京都の12孔コンクリ蓋

    mh224都下水道コンクリ蓋孔多

    小ネタその1。
    この蓋の価値がわかるのなら貴方は相当なマニアであろう。
    これは林丈二「マンホールのふた」63頁に「港区六本木。あまり見かけない」というキャプションとともに掲載されている蓋と同じもの。四谷三丁目駅付近の私道と公道の接点らしいところで見つけた。
    何が珍しいのかというと、楕円形の孔が12個も開いていること。普通見かけるのは6個のもので、ここまで孔だらけの様式はさほど使われなかったものと思われる。私も他所で見かけたことはない。

    マンホール(223):東京都稲城市の下水道マンホール

    前回、多摩地区で見られる上水道蓋をまとめたが、今回は下水道の方だ。

    見つけたのはやはり稲城市の京王よみうりランド駅周辺。
    稲城市というのは忌憚のないところを言うと東京でも知られていない方だろう。
    東京都に川崎市が食い込んでいる先あたりに位置し、人口は8万5000ほど。面積は摩周湖よりやや狭く、人口密度は夕張市の約380倍≒豊島区の約0.21倍。鉄道はJR南武線と京王相模原線、それからついでにJR武蔵野(貨物)線も通っているとか。市内の平地部は市街がひらけているが、丘陵部分にはゴルフコースや雑木林が目立ち、農地も若干残る。
    まあとにかくそんな街であります。

    mh223稲城市下水道 (1) mh223稲城市下水道 (3)
    イチョウの地紋に「おすい」「うすい」の鉄蓋。

    mh223稲城市下水道 (2) mh223稲城市下水道 (6)
    コンクリート枡蓋。

    mh223稲城市下水道 (4)
    斜め格子地紋に「雨水」。

    mh223稲城市下水道 (5)
    最初の「おすい」に似ているが、「おすい5」とあり、さらに謎の矢印マークも。なんだこれ。 

    マンホール(222):稲城市で見つけた多摩地区の東京都水道局蓋

    ご存知のように、東京都水道局は23区部のほか、多摩地区の26市町でも上水道事業を多くは委託の形で運営している。
    例外は武蔵野市・昭島市・羽村市・檜原村で、これらの市・村では自前の運営を行っている。

    かつては26市町でも独自に水道事業を持っていたところが多い。しかし高度成長期の急激な人口増加などから、サービスの質や費用面において区部との格差が生まれ、社会問題化していたという(戦前の東京市郊外でも、町営水道や矢口水道あたりが同様の問題を抱えていたはずだ。歴史は繰り返す)。
    いろいろあって1973(昭和48)年に小平市・狛江市・東大和市・武蔵村山市の4水道事業が都に統合されたのを手始めに、1982(昭和57)年の立川市までに25市町が都に統合。2001(平成13)年に三鷹市との統合がなされ、今に至っている。統合の遅かった三鷹あたりでは今でも市章入り水道蓋は街角でよく見かけるのだがそれはまた別の話。
    (この段落は「多摩川誌」より 3.4.2 都営一元化の実施等のウェブサイトを参照)

    こういう歴史を反映してなのか、区部と多摩とでは都章が入っていても意匠が異なる蓋が使われている事例がよくあるようだ。
    という長い前置きのわりにはさして掲載する画像はないのだが…。

    mh222東京都郊外水道 (1) mh222東京都郊外水道 (2) mh222東京都郊外水道 (3)
    これらは稲城市の京王よみうりランド駅前で昨春撮影したもの。制水弁×2と消火栓である。
    駅付近を5分程度歩いて見つけた範囲のものだ。
    コンクリート充填型の縁は都区部ではふつう見かけないものである。

    マンホール(221):杉並区章入りの防火水槽蓋

    筆者は杉並界隈をよく歩くので、当地の蓋をいろいろ見てきた。これまでに、当ブログでは三級基準点雨水桝蓋採水口などの区設による蓋を紹介している(コミュニケーションマーク入りの蓋なども見たことがあるはずなのにちょっと手元に画像が見当たらない)。

    この度掲載するのは、以前とある区営施設のそばで見つけた防火水槽蓋である。

    mh221杉並区章防火水槽 (1) mh221杉並区章防火水槽 (2)
    「杉並区 防火水槽」の七文字と、区章が入っている。手前にあるお辞儀した送水口がちょっと珍しい。
    プロフィール

    rzeka

    Author:rzeka
    マンホール等探索者。

    因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
    rzekaはポーランド語で川の意。因みに発音はIPAだと[ˈʒɛka]になる。「じぇか」に近い音。



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