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骨董マンホール入門(3)

骨董マンホール入門(1)および同(2)の続き。


[10]10月14日 21:45  今夜の骨董マンホール【王子町】
mh125-14.jpg mh125- (3) mh125-10.jpg mh125-12.jpg
東京都北区は以下のような経緯で成立している。

~1932年9月 北豊島郡王子町・岩淵町・滝野川町
1932年10月~ 王子+岩淵→東京市王子区、滝野川町→東京市滝野川区
1947年3月 王子区+滝野川区→東京都北区


これらのうち、独自の下水道蓋を設置したのは王子町のみ(瀧野川は計画止まりで、東京市併合後に着工されたものと考えられている)。
今回紹介するのはその北豊島郡王子町の蓋である。
十条駅付近や王司本町一帯に合計10枚以上残っているから、戦前の廃止自治体の遺産としてはかなり現存数が多い。
(写真2)は中央部の紋章であるが、王子の「王」の字の上下に「下水」の字があるのがお分かりだろうか。
このように町名の文字や町章を図案化された「下水」で囲うことによって下水道専用のマークとしている事例は多々ある。我々マンホール愛好家はこの「下水」の囲いを漢字の部首に倣って「下水構え」と呼んでいる。
なお(写真3)は東京都下水道局の某施設に保管中の王子町の蓋。交換されて路上からは撤去されたものである。これは普通の人孔(マンホール)より小さく、ランプを下げるためのもので燈孔(ランプホール)という。
燈孔は戦後は殆んど設置されることがなくなったもので、下水道の供用が早い土地でしか見ることができない。それも残っていてもわずかである。



[11]10月15日 16:34  今日の骨董マンホール【東京帝国大学】
東京帝国大学 暗(円部) mh9-3.jpg 帝大下水
これまで紹介したのは殆んどが自治体製の蓋であるが、それなりの規模の敷地や建物をもつ企業・団体も独自の銘入りの蓋を設置していることがある。
自前骨董蓋所有団体の代表格はなんといっても東大だ。関東大震災で東大(本郷)は大きく被災している(図書館などが燃えている光景が宮崎駿の新作「風立ちぬ」でも描かれていたのを観た方は覚えているだろう)が、その後復興されてからほとんど建物の配置に異動がないことから、昭和初期設置と思しき戦前ものの蓋が数多く残っている。
注目すべきなのは「東京帝国大学」「帝大」と書かれている点。「帝国」が付くのは、昭和22年に改称されるまでの名称である。
下水のものだけでなく、電気関係のものも掲載した。「暗」とあるのは暗渠のことで、他に「暗渠」と2文字書かれたものも残っている。暗渠の蓋というのは他所では見たことがない。



[12]10月15日 19:59 今夜の骨董マンホール【一高】
mh17-2.jpg mh17-3.jpg mh17-5.jpg
先ほど帝大の蓋を紹介したが、帝大とくれば今度は一高(第一高等学校)である。
一高の敷地は今日では東大駒場キャンパスになっている。本郷よりはだいぶ建物の増減が多い駒場であるが、一号館周辺などに一高の蓋がちゃんと残っている。



[13]10月16日 19:40 今夜の骨董マンホール【大崎町】
mh146 (1) mh146 (4)
現在の品川区は、昭和22年に旧品川区と荏原区の合併によって成立したもの。その旧品川区は、東京府荏原郡品川町・大井町・大崎町の三町の合併によって昭和7年の東京市域拡張の際に生まれたものである。
これらのうち、品川町と大崎町のマンホール蓋がごくわずかに現役で使われている。
今日紹介する大崎町は、残念ながら大ぶりの丸蓋・角蓋の現存が確認されていない。王子町の記事で触れた燈孔(ランプを下水管に下ろすための細い立穴)蓋が2枚と、民家の敷地内に小さな雨水溝の蓋が1枚見つかっているだけだ。
写真のものは大崎4丁目に残っているもの。(写真2)のように引いて撮ると一見気づかないほどに小さい。
東京市の燈孔はもう少し大きいのだが、これは名古屋市型といわれるタイプのもので小さいのだ。そういえば王子町の燈孔も名古屋市型である。

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因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
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