マンホール(218):江戸川橋のハンドメイド・テレメータ蓋

昨日の逓信省蓋記事の、いちおう続きであります。

   ※   ※   ※   

ところでいきなりですが。
愛蓋趣味の世界には、天下に一枚しかないとされる蓋がいくつか知られている。
そのような天下一蓋はいきおい骨董蓋に多く、例えば
千駄ヶ谷町下水・人孔丸蓋
巣鴨町下水道・角蓋
高田町下水・角蓋
西巣鴨町下水・雨水桝蓋
目黒町水道・消火栓蓋
荒玉水道・複排気弁蓋
などがある。

しかしこれらの物件は、厳密を期して言うならば「かつて複数あったうちの唯一の現存例ではないかと目されている蓋」にすぎない。他に1枚たりとも残っていないことを証明するには、当該地域において完全なる虱潰し蓋見を行うしかなく、当局(上下水道局かあるいは警察力か)でもない素人の力ではまず無理だ。さしずめ悪魔の証明とでもいうべきか?

本当に天下一と言い切れる蓋となると、その蓋を要する設備が世界に一箇所しかない物件(例:木之元神社の井戸蓋)か、あるいは製作過程上一品物でしかありえないような物件に限られてしまうのだ(ごくたまに通し番号が鋳込まれた蓋を使う事例があるらしい。これも確かに一品物ではあろうが、本稿で問題にしているものとは別と考えていただきたい)。

一品物? そんなんあるのか? マンホールというと多量生産の工業品でしょう? 
…とまあ普通そう思うだろう。しかし、あったのです。一品物。

   ※   ※   ※   

昨日の記事の三枚目画像奥に写っていたものだ。

mh218 (1)
これだ。どう思うか。

mh218 (2)
拡大。これは出来合いの消火栓か何かの蓋の文字を削り取り、鉄線を溶接でもしたものでしょうかね。
タの字だけちょっと大きくて不格好で、なんとなくテレメー夕(ゆう)にも見える。よく見ると文字の周りに鉄の雫がポツポツ落ちて固まっているし。
どうでしょう。これを天下に一つ並ぶものなき蓋と認めることに問題があるだろうか。似たような経緯で手づくりされた蓋は他所にもあるかもしれないが、このヘロヘロの字体等がそっくり再現されているはずもない。
おめでとうテレメー夕蓋、きみはオンリーワンでナンバーワンだ。やったぜ。

mh218 (3)
もういちど、逓信省蓋とのツーショット。

なおこの物件は他の記事でいちど紹介しているもの。
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因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
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