2014年に観た映画

2009年版(仮集計)
同(完全版)
2010年版
2011年版
2012-13年版

今回の記事はこれらのつづきである(このブログも長いなあとちっとばかり感慨)。

さて、ここ2,3年ほど離れていた映画館通いであるが、今年はけっこう持ち直し、月4~5本ペースと相成った。
とはいえ、本年は戦前の短編を多く含むプログラムにしばしば足を運んだので、長編換算するとすれば月3~4本程度ということになるだろうか。

月毎は以下のごとし。
1月:0本    2月:6本    3月:7本    4月:0本    5月:3本    6月:3本
7月:3本    8月:15本    9月:6本    10月:7本    11月:0本    12月:4本

……締めて、54本。



で、劇場別は以下のごとし。
ラピュタ阿佐ヶ谷 16
新文芸坐 10
フィルムセンター 8
キネカ大森 4
神保町シアター 2
早稲田松竹 2
新橋文化劇場 2
品川プリンスシネマ 2
TOHOシネマズ日本橋 2
シネマヴェーラ渋谷 1
新宿ピカデリー 1
イオンシネマ羽生 1
TOHOシネマズ・スカラ座 1
シネマート新宿 1
池袋HUMAX 1



とりあえず良かった映画、鑑賞する機会が得られて嬉しかった作品等を10本挙げてみる。
・「奇巌城の冒険」(1966/東宝/谷口千吉)@シネマヴェーラ渋谷
ルブランのルパンものとは無関係で、前半は遣唐使の仏舎利探し&後半は「走れメロス」というけったいな活劇。わざわざイランに行ってロケした砂漠シーンと、伊福部昭の中東風音楽がなかなか良い。総合では何だこりゃな怪作なのだけれど。私は伊福部昭「SF交響ファンタジー」第2番冒頭部の旋律ということで知って以来観たかった映画なので、怪作でも満足。昔VHSは出ていたようだがDVDやBDはない模様。しかし、今年ヴェーラで観た映画ってこれだけか。
・「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」(2013/宮本幸裕、新房昭之)@イオンシネマ羽生
元のTVアニメはニコ動あたりでやった時に観た程度でそれほど好きでもなかったが、偶然キネカ大森で劇場版前後編を観た結果、物語も表現技術もなかなかいいじゃないかと思い、さらに新作が郊外ではまだ公開中だと聞き及び、暇を持て余していたこともあって埼玉の外れまで行ってきた次第である。初見では情報量が多く本筋プラスαしか把握しきれなかったが、表現としてはゼマン風で素晴らしい。最後に英語などに混じってチェコ語のKONECが現れたのは、やはりゼマンらへのオマージュか。
・「黒部の太陽」(1968/熊井啓)@新文芸坐
最近になって解禁?されるまで数十年間市長困難であった作品。復活当時はあちこちでやっていたのだが、なんだか行く気になれず2014年になってようやく観た。三船と並ぶと裕次郎はただのガキに見えるので、石原サイドにとっては正直なところ面白からざる作品であったろう。封印の理由ってほんとはそれじゃないのと勘ぐる。
・「特急にっぽん」(1961/東宝/川島雄三)@新文芸坐
新幹線開業前の東海道線で数年間走っていた在来線特急「こだま」が舞台の群像劇。聞けばこの「こだま」は電車による国鉄初の特急だそうで、黒澤明「天国と地獄」でも出てくるあの特急だとか。後期の川島作品としては見逃していたうちの一本。このころの食堂車はずいぶんモダンになってはいるものの、百閒の「阿房列車」時代のものをまだ受け継いでいるようで面白い。
・「死刑執行人もまた死す」(1943/フリッツ・ラング)@新橋文化劇場
ナチス支配下のプラハで実行された、副総督ラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画(エンスラポイド作戦)。その後の弾圧に抵抗する市民を描く反ナチ映画の名作である。のだが、チェコ者としては、どうも考証にあきたらない気分になる。人名などのスペルがポーランド語のようだったり。スタッフに亡命チェコ人などが一人もいないようだから仕方ないか。入場してみたら来月末で閉館との知らせが貼ってあった新橋文化劇場にて観た。
・「江分利満氏の優雅な生活」(1963/東宝/岡本喜八)
DVDでは何度か観た映画だが、スクリーンで見ると没入の度合いが違うからかはるかに印象深いものがあった。やはり年に一本は名画座で喜八を見たいものである。
「AN EXPRESSION(表現)」「PROPAGATE(開花) 」「百年後の或る日」(荻野茂二)@ラピュタ阿佐ヶ谷
荻野茂二はアマチュアの小型映画作家。ラピュタ阿佐ヶ谷で企画された「戦前日本SF映画小回顧」というプログラムの一環として上映されたのだが、和製リヒターという趣の「表現」「開花」や、星一風(星新一風に非ず)の商業映画の先を行く未来観を示す「百年後の或る日」など、なかなか質が高かった。
・「駅馬車」(1939/ジョン・フォード)@シネマート新宿
キネノートを利用し始めたところ、ちょうどやっていたキャンペーンに当選して招待券が送られてきたため観に行った作品だ。こういう映画史上の名作は案外足を運ぶ気にならない性分なのでありがたい。中学ぐらいの時にビデオでは見たことがあったが、当時も面白いとは思いつつも筋書きは忘れてしまっていた。で再見して思ったのだが、うん、さすがである。贅言を要さない娯楽大作。
・「『木屋町三條』より その前夜」(1939/PCL/萩原遼)@ラピュタ阿佐ヶ谷
観に行く前日まで存在すら知らなかった前進座映画。池田屋事件を、近所のある一商家の人びとを通して描く時代劇。脚本がしっかりしているのも当然で、あの山中貞雄によるもの。山中の出征・戦死がなければ、あるいは遅ければ自身の手で撮られていたかもしれない。私は尊皇とヤンキー嫌いの両面から、新撰組というものが(誰も見ていなければ墓にクソでも垂れてやりたいほど)大嫌いなので、本作にあるならず者集団としての(おそらくはリアルであろう)描写には大いに共感するところ大。
・「若い娘たち」(1951/東宝/千葉泰樹)@フィルムセンター
岡本喜八の監督第二作と同題であるが、この千葉泰樹版こそが喜八のリメイク元。石坂洋次郎原作のストーリーはまったく同じで、どうやら上映時間まで同じ78分らしい。ただ、学園祭シーンなどを見比べると文化の変わりようが激しく、面白い。喜八版と比べるとテンポも良くないが(上映時間もストーリーも同じなのに)、それは喜八と比べてしまうからであって、1951年の日本映画というともっと古めかしい感じのするものが多い中、本作はかなり清新な印象を受けた。最初の「青い山脈」とは十年は離れてそうな感じさえした。
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因果なことにアカデミックニート=人文系大学院生でもある。
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